遊泳家族

こいのぼり


我が家は 裕福な家庭ではなかったが
「子供たちに人並みのことはしてやりたい」という
両親と祖父母の家族愛に恵まれた子供時代だった

我が家の庭の ど真ん中には こいのぼりポールが立っていた
毎年春になると こいのぼりを揚げるのが 恒例行事になっていた

イカみたいな吹き流しと 鯉が3匹 真鯉 緋鯉 子鯉がいたが 
彼らのポテンシャルを発揮させるのは 容易ではなかった
我が家の庭は 風の通りがあまり良くなかったので
鯉たちは ぐったりと ぶら下がったまま 動かないのが常
元気に泳ぐ姿を期待して 風を待つも 風はいつも知らん顔だった

それでも大人たちは 諦めずに 「今日こそは」と 
来る日も来る日も こいのぼりを揚げてくれた
大人たちが せっせと揚げてくれるもんだから 
子供の立場としては 気持ちを込めて 歌うしかない

やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる

ぐったり干物状態の鯉たちを眺めながら歌う 童謡 「こいのぼり」
今思えば なんとシュールな絵面だろうかと 恥ずかしくなるが
しかし そんなグダグダな状況でも 親は子を思い 子は親を思う  
互いを思いやる空気感を 自然と学んだあの経験は大きい 
奇妙とも思える行事から 学ぶことも多々あるのだから 
行事や風習を大事にする親たちの姿勢は 見習いたい

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