ひとりでも笑えた日

河原1

若かりし頃 何もしたくない時期があった
何もしたくないが 家にいても鬱々としてしまうので
ひとりで河原を散歩しながら シーグラスを拾っていた
何かを探しながら 黙々と歩く行為は 
余計なことを考えなくていいので  
心の安定には効果的だったように思う

若い娘が一人 河原をふらふら歩いている様に
「あの娘、大丈夫かしら?」と
心配そうに視線を向けてくるご老人もいたが
人の目など大して気にならないほど 私は夢中だった
誰もやらないであろうことを ただやってみる
そこに意味なんてないから 自由になれた 
ひとりの世界は 居心地のいい世界だった

拾ってきたシーグラスを入れていた植木鉢が
いっぱいになったころ
心は少し前を向いていた

「よし、広い世界を見にいこう」

私は 集めたシーグラスを持って 河原を下り 
海を目指した
繰り返すが そこに意味はない
ただ 重い しんどいだけ

広い海のきらきらに シーグラスを投げ入れて
思ったこと

「意味がないって なんか笑える」

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